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【特定技能1号2号】違いを徹底比較 | 外国人雇用を始める前に知っておくべきポイントとは

2019年4月に創設された「特定技能」ビザは、深刻な人手不足を抱える業種に外国人労働者を受け入れるための重要な制度です。特定技能には「1号」と「2号」があり、それぞれ対象分野や取得条件に違いがあります。特に、2023年6月には特定技能2号の対象分野が大幅に拡大され、注目を集めています。

本記事では、特定技能1号と2号の違いや取得方法について、最新情報を交えてわかりやすく解説します。外国人労働者の受け入れを検討している企業や個人の方は、ぜひご一読ください。


目次[非表示]

  1. 特定技能とは?
    1. 特定技能1号
    2. 特定技能2号
  2. 特定技能1号と2号、8つの違い
    1. 1.在留期間の違い
    2. 2.分野の違い
    3. 3.求められる技能水準の違い
    4. 4.外国人支援の必要性の違い
    5. 5.永住権の違い
    6. 6.家族帯同の違い
    7. 7.日本語能力の確認試験の違い
    8. 8.試験の違い
  3. 特定技能1号と2号の取得方法
    1. 特定技能1号の取得方法
      1. 1.特定技能測定試験
      2. 2.技能実習から移行
    2. 特定技能2号の取得方法
  4. 特定技能1号と2号でかかる支援手数料比較
  5. まとめ


特定技能とは?

特定技能は、建設業、農業、介護などの人手不足が深刻な12分野で、外国人労働者を受け入れるために創設された在留資格です。この在留資格の特徴は、単純労働も含む幅広い業務に従事できる点です。

なお、特定技能には「1号」と「2号」の2種類あり、それぞれ特徴があります。特定技能は学歴や母国での経験が不要かつ、取得が比較的容易なため、企業にとって人材確保の有用な手段です。なお、介護分野は特定技能2号の対象外です。

出典:出入国在留管理庁『特定技能 ガイドブック』より


特定技能1号


特定技能1号は、特定産業分野において相当な知識や経験を持つ外国人向けの在留資格です。取得には日本語試験と特定産業分野の技能試験に合格する必要があります。この資格は介護や製造、サービスなどの12の分野にわたる職種で適用され、最長5年の在留が認められていますが、家族帯同は基本的に認められていません。


また、特定技能1号は、外国人労働者がすでに持っている知識や経験を生かして日本で就労するもので、技能実習とは異なり、日本国内での転職も可能です。資格更新時に再受験は不要です。


特定技能2号


特定技能2号は、特定産業分野で熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格で、基本的に特定技能1号の修了者が次のステップとして取得します。


2023年6月の閣議決定により対象分野が拡大し、これまでの「建設」と「造船・舶用工業(溶接区分)」に加え、農業、宿泊業、外食業などの9分野が新たに対象となりました。特定技能2号の最大の特徴は、在留上限期間に制限がなく、要件を満たすことで家族(配偶者や子ども)の帯同も可能となる点です。


また、特定技能2号は更新に制限がないため、永住権取得に向けた道が開かれます。


出典:出入国在留管理庁『永住許可に関するガイドライン』


特定技能1号と2号、8つの違い

特定技能1号と2号の違いは以下の8つです。

特定技能1号2号の違い


1.在留期間の違い

特定技能1号は最長5年の在留が認められ、更新は1年、6ヵ月、または4ヵ月ごとに行われます。対して特定技能2号は無期限に滞在可能で、更新は3年、1年、6ヵ月ごとで、長期雇用やキャリア形成に有利です。特定技能1号から2号に変更し、2号の更新を続けることで雇用前提で永住資格取得の要件を満たすことも可能です。


2.分野の違い


特定技能1号は12分野全てが対象で、介護分野も含まれています。一方、特定技能2号は介護を除く11分野が対象で、特定技能1号で得た経験を活かして2号に移行することで取得します。介護分野では、「介護福祉士」の資格取得などを経て、「介護」ビザへの変更が可能です。特定技能2号は2023年6月の閣議決定で、建設業や造船分野に加え、他分野も新たに対象となりました。

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出典:経済産業省「製造業分野の特定技能2号追加について」より


3.求められる技能水準の違い

特定技能1号と2号では、求められる技能水準に違いがあります。特定技能1号は、監督者の指示で作業を理解し実施できる程度の相当な知識や経験が必要です。一方、特定技能2号では、より高いレベルの技能・知識が求められ、専門的・技術的な業務を自分の判断で実施できるか、または監督者として他の作業員を指導・管理できる能力が必要です。

両者の技能水準は試験等で確認されますが、特定技能2号は特に熟練した技能を持っていることが求められます。なお、技能実習2号を良好に修了した場合、特定技能1号への申請時に試験等が免除されることもあります。


4.外国人支援の必要性の違い

特定技能1号では、外国人労働者の円滑な生活・仕事のために「支援計画」の作成が義務付けられており、支援が難しい場合は登録支援機関に委託する必要があります。特に、過去2年間に外国人労働者がいない企業は支援を必ず委託しなければなりません。

一方、特定技能2号では外国人労働者が自立できると考えられており、支援計画や支援の義務はありません。したがって、2号の受け入れ企業は支援負担が軽減されます。


5.永住権の違い

特定技能1号では永住権を取得することは困難ですが、特定技能2号では条件を満たせば永住権を取得できる可能性があります。出入国在留管理庁のガイドラインによると、永住権の申請には原則として日本に10年以上在留し、技能実習と特定技能1号を除いた就労資格を5年以上有している必要があります。特定技能2号は在留期間の更新に上限がないため、10年以上在留し続けることで永住権の申請が可能になる場合があります。

また、その他にも未婚者で年収300万以上の年が5年以上あること、身元保証人がいること、3年以上の在留期間であることなどの条件があります。


出典:出入国在留管理庁『永住許可に関するガイドライン』より


6.家族帯同の違い

特定技能1号では、基本的に家族帯同は認められていません。ただし、留学生などが特定技能1号に変更した場合は、例外として家族の「家族滞在」から「特定活動」への在留資格変更が認められる場合があります。

特定技能2号では、配偶者と子供が要件を満たす場合に限り、本国から呼び寄せることができます。この場合、配偶者と子供には在留資格が付与され、日本で一緒に生活することが可能となります。ただし、親やきょうだいの帯同は現在認められていません。

特定技能2号においては家族帯同が可能であるため、特に家族がいる外国人労働者にとっては大きなメリットとなります。


7.日本語能力の確認試験の違い

特定技能1号では、日本語能力試験に合格する必要がありますが、技能実習2号を修了した場合は免除されることもあります。特定技能2号では、原則日本語試験は不要ですが、外食業や漁業ではN3以上が必要です。ただし、2023年の対象分野の拡大に伴い、今後変更される可能性もあります。また、介護分野では「介護日本語評価試験」に合格する必要があります。


8.試験の違い

特定技能1号の技能試験は分野によって異なりますが、国内外で定期的に実施され、協力覚書を結んでいない国の方も短期滞在ビザで受験可能です。ただし、新型コロナの影響で中断されている国もあるため、最新情報を確認することが重要です。

◆二国間の協力覚書を締結している国
フィリピン・カンボジ・ネパール・ミャンマー・モンゴル・スリランカ・インドネシア・ベトナム・バングラデシュ・ウズベキスタン・パキスタン・タイ・インド・マレーシア・ラオス・キルギス

特定技能2号の試験は、国内で実施されている分野もありますが、未発表の分野もあり、企業が申し込む場合もあります。2024年10月時点で建設分野や製造業、外食業で試験が行われており、最新情報は試験実施団体の公式サイトで確認できます。

出典:OTAFF 『 特定技能1号・2号技能測定試験』より


特定技能1号と2号の取得方法

特定技能1号と2号の取得方法について、解説します。

特定技能1号の取得方法

特定技能1号を取得する方法は、主に3つの方法があります。一つは指定の試験に合格する方法、もう一つは技能実習2号からの移行。最後に技能実習3号からの移行です。今回は1つ目の試験に合格する方法と2つ目の技能実習2号からの変更について、これらの方法を詳しく解説します。


1.特定技能測定試験

特定技能1号を取得するには、2つの試験に合格する必要があります。1つは日本語試験で、「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル)」に合格することが求められます。

もう一つは、コンピュータを使ったCBT方式で実施される、各分野に応じた技能評価試験です。実技試験はありません。試験の実施回数や内容は分野によって異なり、例えば「介護」や「農業」は毎月行われる一方、「建設」や「ビルクリーニング」は年数回の開催となることもあります。


2.技能実習から移行

特定技能1号へ移行する2つ目の方法は、技能実習2号を良好に修了してすることです。また、技能実習の職種や作業内容が特定技能1号の業務と関連性がある場合、移行後に必要な試験が免除されます。

・業務が関連している場合:技能実習2号を良好に修了した場合、日本語試験と技能試験の両方が免除されます。

・業務が異なる場合:技能実習2号を良好に修了していれば、日本語試験は免除されますが、技能試験は免除されません。

このように、技能実習2号から特定技能1号に移行する場合、業務の関連性に応じて試験の免除が受けられます。


特定技能2号の取得方法

特定技能2号の取得方法は、該当する分野の試験に合格することです。特定技能2号は、もともと特定技能1号からの移行が前提でしたが、2023年秋以降は特定技能1号以外の在留資格からでも移行が可能となりました。

ただし、試験の合格が必須であり、分野によっては「実務経験」や「管理職相当の実務経験」の証明が求められる場合があります。そのため、特定技能1号での就労経験が求められるケースもあります。特定技能2号には日本語試験がない点も特徴です。

特定技能2号を取得するためには、まず技能試験に合格し、試験で確認される高い技能を証明すれば取得可能です。特に建設分野では「建設分野特定技能2号評価試験」を受ける必要があります


特定技能1号と2号でかかる支援手数料比較

特定技能1号と2号の管理費には大きな違いがあります。1号は登録支援機関への委託が一般的で、月額2万~3.5万円程度の手数料がかかります。一方、2号は支援義務がないため、登録支援機関等への委託は不要でコストは実質0円です。

支援内容は管理団体によって異なるため、委託先選定時にはサービス内容と費用のバランスを確認することが重要です。

近年、コスト削減のために自社支援に切り替える企業も増えていますが、不安や疑問がある場合は外部へ相談することをおすすめします。


まとめ

今回は、特定技能1号と2号の違いについて解説しました。特定技能1号と2号は、特定産業分野の人手不足を解消するための在留資格で、それぞれ特徴があります。

1号と2号には、就労期間の制限や家族同伴の可否に違いがあります。特定技能1号は職種が多く、定期的な試験が行われる分野もあり、徐々に受け入れが進んでいます。特定技能2号は2023年、介護以外の11分野に拡大されました。家族帯同や無制限の在留期間更新が可能で、将来的には永住権取得の道も開かれています。

特定技能は制度が新しく、法改正も予定されているため、最新情報を把握し、専門家に相談することをおすすめします。



WorkinGlobalは東証プライム上場企業である広済堂グループが提供する、外国人労働者の人材紹介サービスです。アジア11カ国の提携送り出し機関と提携し、日本国内の企業様に「特定技能」「技人国」を中心とした優秀な人材をご紹介しています。

 ・質の高い人材をご紹介できる仕組みを構築
 ・ベトナムにて日本語センターを10年運営
 ・国内17拠点を基盤とした安心の全国対応

といった強みを持っているので、外国人材の採用をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。


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